事業計画書作成の流れ

独立起業・開業を目指す方へ、事業計画書作成の基本的な流れをご説明致します。

◆<事業=やろうとしている事>の全体像を把握する

事業計画を作る作業に入る前に、事業の動機及び目的(なぜやろうと思ったか)、事業の内容(何をしたいか)、事業の目標(どうなりたいか)、対象とする市場(誰に対して)などを人に説明できる程度に事業全体についてのビジョンを固めて行く事が成功への第一歩です。

それには、頭の中の考えを「紙に書く」ことが大切。そうすることで「見える化」ができます。もちろん最初は書式は問いません。できるだけ大きな紙に、思いついたままに書いて行きましょう。

①まず、起業の動機を紙に書いてみる(なぜしたいのか?)
起業の動機を紙に書いてみる

そもそもどうして起業しようと思ったのか?その内容を具体的に書いてみましょう。漠然と考えていることも、紙に書くことでまとまってきます。文章になっていなくても構いませんし、なぐり書きでも構いません。とにかく、どんどん書いてみて下さい。ここが、事業計画書作成へ向けた第一歩です。

②事業内容を書いてみる(何をしたいのか?)
事業内容のイメージ

事業内容を掘り下げて書き出してみます。これからやろうとしている事業内容を具体的に書き出します。何のために起業、開業するのか目的や使命、それによって得られるものをより具体的に考えて行きます。

例:私は○○を事業として立ち上げ、それを通じて地域社会に○○を与える会社を目指します。

具体的には、、、

という風に深く掘り下げて行きましょう。

③事業の目標設定(どうなりたいのか?)

短期(6ヶ月)と長期(向こう3年間)に分けて、「自分は最初はここからはじめて、将来は会社をこうしてみたい」、あるいは「こういう風に発展させていきたい」といったような内容で書き出します。

願いは心に描かないと叶いません。出来るだけ具体的に「自分の夢」を設定しましょう。


④市場環境、競合状況の調査・分析をする(誰に対して?)
市場環境、競合情報の調査・分析をする

これから興す事業の市場規模、参入する業界をとりまく将来性などの状況はどうなのか、競合状況はどうなっているのか。同じ商圏でのシェアはどうなっているのか。など出来る限り情報を集め、分析を行ってください。

「長年、その業界にいたから、感覚で分かっている」という方も、できれば今一度、紙に書いてみることをお勧めします。

見えなかったものが見えてくるかもしれません。そうすれば、本当に事業としてやっていけるか、さらにリアルな判断ができるようになります。

調査方法にはいろいろありますが、一番簡単でわかりやすいのは交通量調査です。特に商店街や繁華街で飲食店や販売を行う「来店型」の事業を始めようと思っている方は、多少の時間がかかっても、ぜひとも自分でやってみることをお勧めします。

また、同業他社を研究することもとても大切です。同業他社でうまくいっているところはもちろん、うまくいっていないところも出来る限り情報を集めて、それぞれなぜそうなっているのかの原因を考えるようにしましょう。Webや本の情報だけではなく、実際に現場を見に行くことも必要となるでしょう。

⑤独自の強みをあぶり出す

実際に起業・開業したと仮定して、「どうすればお客様から、他の同業他社ではなく、あなたの会社やお店を選んでもらえるか?」、言い換えれば、自分または自分の会社独自の強みは何かについて考えてみましょう。

それが見えてくれば、どういう商品・サービスを誰に対してどのように売れば良いのか、展開して行けば良いのかがおのずと決まってくることがあります。

⑥事業内容の練り直し
事業内容を繰り返し練るイメージ

④の市場調査、⑤の独自の強みの分析結果をもとに、それまでの事業のビジョンを再度、見直しましょう。

また、この段階では一人で考え込まずに周囲の意見を聞きながら進めることが有効です。まわりの冷静な意見もしっかり聞いて、必要に応じて聞き入れていきましょう。この段階での検討具合が、起業・開業後の成否に大きく影響します。妥協することなく徹底的に検討を繰り返してください。

◆事業計画を実際に作ってみる

以上の内容が固まったら、それをもとに実際の事業計画書に落とし込んでいきます。これにより、さらに事業のイメージが明確になり、具体的に見えてきます。事業計画書の記載事項を全て埋められるようになるまで、プランをしっかり詰めていきましょう。事業計画書は最初から完璧なものは出来ません。でもそれでいいのです。試行錯誤を繰り返しながら書き直していくうちに段々と精度も上がり、クリアしなければならないポイントも見えてくるはずです。

◆起業・開業資金調達計画表の作成
起業・開業資金調達のイメージ

市場調査の結果、事業のビジョン、規模等を総合的に考慮し、必要な開業資金を割り出します。そして資金を調達する方法を決めていきます。注意したいのは「運転資金」。起業したばかりでは業種にもよりますが、約1年から長くて3年近くはなかなか利益が出ずに、持出し(出費)ばかりとなることが大半です。その間の生活費、車や住宅など他のローンの支払い、子どもの教育費などの必要額をしっかりと計算して準備しておくことが大切です。「なんとかなるさ」はお金に関しては「なんともなりません」。計画をもって臨まないと、起業・開業した後、すぐに資金不足に陥ってしまいます。

また、起業・開業時には支払金利の負担が特に重いので、できれば資金の調達は金利負担のかからない自己資金か身内からの出資で準備するのが理想的です。しかし、それらが無理な場合は、公的な融資を利用して資金調達すると、低い利息で借りられるので何かと苦しい開業初期の資金繰りがとても楽になります。 リースの利用なども可能であれば取り入れることも検討しましょう。ただし、一度契約すると解約時に多額の手数料を取られる場合などがあるので、契約条件などを十分確認して、細心の注意を払ってください。

必要な資金額と、借入以外で自分で準備できる自己資金額にあまりにも大きな差がある場合は、自己資金が準備できるまで起業・開業のタイミングを見合わせるという冷静な判断も必要です。

◆資金調達計画書に記載する主な項目
1.資金調達方法
  • ① 自己資金での調達可能額
  • ② 借入による調達可能額
2.初期投資(設備資金)
  • ① 事務所・店舗・工場等の入居時費用(敷金・仲介手数料・保証金等)
  • ② 設備費用(機械・パソコン・什器類等)
  • ③ 内装費
3.運転資金
事業内容にもよりますが、最初の内は利益が出ずに、持ち出しばかりになります。
運転資金はとても重要です。
  • ① 商品、材料などの仕入代金
  • ② 家賃・水道光熱費・人件費・通信費等の毎月の固定費
  • ③ 借入の返済、支払利息
4.損益計画表
起業・開業年を含め3年分を作成します。
  • ① 売上高(予測)
  • ② 売上原価(原価率を掛ける)
  • ③ 売上総利益(売上高ー売上原価)
  • ④ 経費合計(人件費+家賃+減価償却費+支払利息+水道光熱費+通信費その他)
  • ⑤ 利益(売上総利益ー経費合計)
  • ⑥ 返済可能額(利益+減価償却費)
◆その他資金に関して気をつけたいポイント

脱サラして起業・開業する人は、住民税等の支払いが翌年にくることがあるのでその準備が必要です。また、個人事業主となる場合には、国民年金や健康保険の支払いにも注意して下さい。

前年に失業している人や、所得が少なかった人は国民年金の全額または半額免除を受けられる可能性があります。

さらに、健康保険についても、所得に応じて支払猶予や一部減免される場合がありますので、心当たりのある人は役所等に確認しましょう。

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